P-air開発物語 7

【タイミングが大幅にずれてしまった】
2022年の真夏に私はあえいでおりました。なんとかクラファンにも記事を送り、これでようやく動き出せると考えていたのですが、それも甘かったようでした。
「P-air」開発にあたって、孫や同世代の子供たちに使ってもらえればいいなと考えていた私は、組み立てキットを学校などにも配布したかったのです。とはいえ、組み立てキットは支援者へのリターン用に考えていたわけで、支援者が増えればその収益で学校向けのプレゼントを行うつもりでした。

※ここで少しぶっちゃけた話をさせていただくと「P-air」の製造に関しては、クラウドファンディングは2段階必要だと考えておりました。つまり1.製品化のために必須となる、筐体の金型作りへの費用 2.金型ができた時点での半製品製造費用。これら二つの支援がなければ、「P-air 」の製造はむつかしいのです。ちなみに1の金型製作費は設計図作成などを除いて450万円ほどになりますし、製品化のためでも1000本というかなりの数字でも1本あたり2万円近く必要になります。
つまり、クラウドで支援していただくにしても、リターンはさておき両方合わせると1500~2000万程度の支援が必要になるのです。
このような金額が夏真っ盛りの期間に募集できるとは思えませんでした。つまりそれだけの数は集まらないから、クラファンにっかけても、成果は得られないだろうと考えたわけです。
しかし、クラファンは資金集めだけではありません。CMでいわれているように、仲間集めに使えるのではないかと考えたのです。したがって、仲間を集めるためには、資金よりも「P-air」を手に取っていただける人数を増やすことが大事だと考えた結果、資金集めをあきらめて、自作キットを組みたててもらえる仲間確保に切り替えたわけです。
その仲間になっていただくのは趣旨に賛同してくださった支援者と、工作や熱交換や計算などにも比較的慣れていらっしゃる技術系教職者であればと、思い至ったわけです。
計算では1本あたり25000円のご支援として、5本以上125000円でようやく1本分の原価が確保できる程度です。平たく言えば、125000円の支援に対して、およそ25000円の利益が出るということなのです。これは、クラファン会社の手数料が20%弱必要だという計算も含まれています。
クラファンの手数料も織り込んだ支援金額を計算すると、当方のようなすでにマスプロ化されたパーツを使用すると、コストがどんどん膨らんでゆき、利益などは出ないという構造になります。
また、コストを下げるための電気部品は、スイッチ類では数万個、DCモーターでも数千個、筐体も本来であれば万単位のオーダーがあってはじめてコスト計算が成立するということなのだそうです。
そんな風に計算してゆくと、最終的には3000万円に近い売り上げや支援が必要になるわけで、金型の450万円が確保できたとしても、製品化にはまだ数千万円の支援が必要になるというわけです。
そんな金額をk佐久穂で気だけの力がクラファンにはあるのでしょうが、実際に「P-air」がそれだけの魅力を持っているかどうかは、私にはわかりません。そこで利益よりも様々なご意見を頂戴できる学校の先生をも仲間にしようと考え、予想収益のほぼすべてを、学校にプレゼントするよう企画したのです。

ところが、この企画にクラファン会社がクレームをつけたのです。学校に寄付することは構わない。だけど支援者の数によって、プレゼント数が変化するのは不確定要因が多いので、まず学校の希望者をある程度集めて、その学校名なども明示化して、支援者の募集呼びかけに使うべしというものなのです。で、それら学校名を明らかにした応募校に対して、支援数が少なくて工作キットを提供できなかったとすると、学校名をさらされただけの学校に対しての問題は発生しないのかどうか、疑問が残ります。
そのような疑問をクラファン会社と、一つずつつぶしあっていくというのは、実は大変な作業です。
また当初から当方ではオールイン型募集という方法(目標金額が達成できなくとも、凍死者には駆らずリターンを届けなければならない)で、なおかつ支援者の興味や関心の高まっている時期に、支援金額は入金されなくても、当方の一時負担で利t-ン品を提供しようとしていたのですが、それもルールで拒絶されました。つまり夏場の支援スタートで、年末までその期間があっても、早い時期に大半のりたーを送ろうと考えていた当方のやり方はだめで、募集期間が終了指定からのりたー送付という風に指摘されたのです。でも、実際熱中症の発生や、猛暑日がなくなってからのクラウドfんでぃんぐ募集で、支援者が集まるでしょうか。
あるいは、年末に組み立てキットが届いて、それから「P-air」を組みたてて、試していただけるでしょうか。
可能性は、真夏に比べると、ずいぶん下がると思われます。
さあこれで、2022年の夏に、「P-air」は産声を上げられなくなりました。

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