【で、どうするか】
2021年春先から取り掛かった、冷風扇制作プロジェクトは、いつしか毎年のように報道される熱中症対策の一つとして、意識するようになりました。
ただ、同じような構造の冷風扇を、すでに誰かが作っているのではないかと考えた私は、特許庁のサイトで、誰かが実用新案を申請していないか調べてみました。
というのも、送風ファンや、冷凍PETボトルはすでに商品化されており、いろいろな部品を組み合わせて作る冷風扇だけに、実用新案の分野だと考えたのです。
ところが、私が考案したものと、同様のコンセプトの考案は見つかりませんでした。
なんでこんなものが実用新案に登録されていないのだろうという単純な疑問と、特許庁の検索方法が間違えているのだろうと、地元の発明協会へ(全都道府県にあります)調べに出向いたのです。正確に言うと、知財総合支援窓口というところの支援事業の一つだったのですが、とにかく相談相手も何もない状況だったので、飛び込んでみることにしました。
担当者とお話をし、何回かの訪問の後、似通った申請がないということがわかって、では自分が実用新案を出してみようかと思い始めたのです。
2021年初秋のころでした。
発明協会では無料相談日というのがあり、担当の相談便利が決まり、うまくいけば月間2回は教えていただけるということがわかり、無料ということもあって、定期的な訪問と、相談を2022年3月まで続けました。(弁理士に頼んで代理で手続きを取ってもらうという方法は、知ってはいたものの、どの程度の費用が掛かるのかなど皆目わからない状況だったものですから、申請書や技術イラストを描いては指摘され、書き直してはチェックしてもらい、なぜダメなのかも理解できずに、むくれながら再度書き直すという行為が延々と続きました)
弁理士も発明協会の相談員もあきれるほど通って、(ほぼ7か月。14回ほど)疑問点をつぶしてようやく実用新案の申請書を書き上げました。そして2022年の3月初旬には完成し、特許庁への郵送が終了しました。
当時は、自分が思いついたことやそれを達成するために費やした時間への褒美としての実用新案申請ととらえていたため、それから先のことはさほど考えていませんでした。
とはいうものの、もしもこの考案物を世に送り出すのはどうすればいいかと考えていた時、大手メーカーさんにアイデアを買っていただくということを考えたのですが、実用新案程度では、持ち込まれたメーカーはすぐにこっちの考案の先を考えて申請するから、商売にはならないだろうという意見を聞きました。さらに、知財の提供などは、契約もむつかしく、時間も手間もかかるという話を聞いて、じゃあ自分で作ればどうなる?と考えて、動き始めたのも2022年の3月でした。
2022年3月 冷風扇の主要パーツを決めた私は、義弟(長年旋盤やMCの操作に従事していたて宇年退職者)に相談しながら部品メーカーとの交渉を開始しました。
メーカーの探し方も作ってほしいパーツの名称も分からず、奈良から車を飛ばして名古屋や大阪の見本市に足を運び、そこでいろいろなメーカーさんの担当者に食い下がって質問したりしました。
私はIT関連事業者で、システム開発や、データベース開発などが業務分野であり、モノづくりとはいえ形のあるモノづくりは初めての経験でした。
そのため、こちらのいいたいことが、相手にうまく伝わらず、さらには事業計画などもほとんど考えていなかったため、最初は相手にしてもらえませんでした。そういった意味では悔しい思いも何度かしました。(自分の思いを形にしたいという情熱はあったのですが、それから先は考えていなかったのも事実でして。相手にしてもらえなくても仕方ありませんね。
そのような右も左もわからない状況の中でも、いちばん真剣に探したのは熱交換フィンの製造元と、フィン形状や素材などの検討でした。
ネットで思いつく限りの単語を検索し、各社のページを一通り読み、電話しました。
メーカー探しだけで3か月ほどかかったと思います。ここで皆さんにもお勧めしたいのは、もしも電気関係の事業者を探すなら、あるいは建設関係の事業者を探すなら、いわゆる業界の専用辞書を探して購入することをお勧めします。
実際、googleは便利なのですけど、検索する語彙が見つからない。
当方も、熱交換器を探す際に、ラジエターやエバポレーターみたいな知っている言葉を入れて検索したのですが、なかなかヒットしませんでした。で、検索語をいれて、写真検索し、なんとなく似通っているページをさがして、そのページに使われている語彙を参考に、さらに検索するというような行為を、毎日のように行いました。
平日は仕事の合間にほぼ連日3時間程度検索を続けたと思います。
それで覚えた言葉を入れ込んだ当方の欲しい内容を書き出し、も商工会議所のビジネスモールで協力会社募集を告知したり、ネットで検索してアポイントを取ったりして、複数見つかった中から2社と話を進めました。
それ以外にも、愛知や東京の大田区などにもぜひとも仕事を進めた愛と思う会社があったのですが、実物を手にとっての相談が行いにくいという不安もあって、関西の2社と話を進めることにいたしました。
詳しく説明した結果、2社とも協力を申し出てくれました。ところが1社の製品は、理想的な製品だったのですが、サイズ的に2つをつないで使わないと、私の製品には使えないことがわかりました。
もう一社とは、その後、仕様を少し変えて手伝っていただくことにいたしました。
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